【4/26動画追加】ミュージカル「マダガスカルJR.」稽古場レポート(レッドチーム編)

レッドチーム集合写真

 ミュージカル「マダガスカルJR.」グリーンチームの稽古取材から3週間ほど経った4月中旬、今度はレッドチームの稽古場にお邪魔しました。

 この日も前回に指導は翻訳/振付のやっちゃん先生こと清水泰雄さん。30分前には到着していつも通り子供達を出迎えます。

 歌手、俳優として活躍中の間聖次朗さんが「多くの子役たちに質の高いステージを」をコンセプトに、株式会社BLunoが2022年に立ち上げたミュージカルカンパニー「Can’oly Company」の今作は、ブロードウェイミュージカル作品「マダガスカル」をジュニアバージョンとして上演。
 昨年秋に行われたオーディションでは全役の対象年齢を18歳以下として一般募集を行い、厳しいオーディションを突破した56人が「レッドチーム」「グリーンチーム」に分けられ、ダブルキャストで5月の本番に向け稽古を進めています。

 物語はセントラルパーク動物園の日常シーンから始まります。動物園ではライオンのアレックス、シマウマのマーティ、カバのグローリア、 キリンのメルマンが大人気!毎日楽しいショーでお客さんを喜ばせていますが、シマウマのマーティは、広い世界に飛び出し、野生のまま走り抜けたいと夢をふくらませていました。

  ある日、ちょっとした行き違いからその夢を仲間たちに笑われたマーティは遂に決断します。 動物園を抜け出し地下鉄に向かうマーティをみんなは慌てて追いかけますが、動物達の脱走に街は大パニックに…。果たしてマーティ達は無事に野生の世界へ辿り着けるのでしょうか? そして、一緒に脱走して南極を目指すペンギンたちの行く末はいかに?

 陽気な動物たちが、沢山の試練を乗り越え、本当の大切な友情を見つける。心温まる物語です。

お客さんの前では可愛く振る舞うペンギンズ。裏では大きな計画が?裏表の激しいギャップがコミカルで面白いです。
マーティの脱走劇に振り回されるアレックス達。彼らに見つかってもマイペースなマーティです。

 この日のレッドチームのダンス稽古。冒頭で稽古回数が残りわずかなので時間を大切にしてほしい旨が伝えられ、物語冒頭の動物園の動物達を紹介していく「ショータイム」からスタートです。この時期になると鏡を見ない様に、基本鏡を背にしていました。

 稽古の一部を少しピックアップすると・・・動物達が脱走した後、警官達に見つかってしまい、マーティ達の方に来ない様にアレックスが両手を広げながら「ヘイ、どうしたのさ。リラックスして行こうよ。」と警官達に話しかけるシーンでは、やっちゃん先生が警官役を演じると、簡単に突破して「ほら、殴れちゃう殴れちゃう。だからここ(直前)で芝居が止まらないように」といった指導がありました。

このシーンは緊張感溢れる場面。今の演技ではこうなってしまうと実演しています。

 アレックスにステーキと間違えられたマーティが噛まれ、「あ~」と叫んだ瞬間の周りのリアクションについて、「理解出来ない人がもう少し居て良い」「この空気感で噛まれるという想像は普通出来ないから、反対側の人達は「え?なになに?どうしたの?」というリアクションがあっても良いし、早めに気付いた人が居たら「噛むよ、噛む噛む。ヤバイヤバイ」というリアクションもあるばず。芝居を先取りした演技にならない様にといった指導がありました。

 この日はダンスを中心とした指導で演技方面の指導は少なかったですが、グリーンチームの稽古取材時以上に濃い内容となっていただけに、稽古場の雰囲気もしっかりと感じ取る事が出来ました。
 やっちゃん先生の指導は常に子供達と同じ目線に立っている印象です。例えば、「こっちに行く口実を作る為にアレックスがモートに泣かれて残念だねって言って、こっちへ行く動きを付けたんですけど、もしこっち(反対側)ならそれはどうなのかな?」と言った様に意見を述べ、それに合わせて一度やりやすい位置を聞き、その場でまずはやってみるなど、子供達の率直な疑問を受け止める姿勢と、子供達が自分の考えを述べやすい雰囲気になっていました。

写真は井出空さん(左)。稽古中に違和感を感じた動きを率直にやっちゃん先生に伝えています。

 この日観たミュージカルナンバーは主に物語前半部分が中心でしたが、序盤一番の見どころは動物園の動物達を飼育員が順番に紹介していくシーン。おもちゃ箱から飛び出す様なポップな音楽と共に、それぞれの個性を活かした歌とアクロバティックな動きを含めたダンスは必見です。

野性的なリズムの楽曲と情熱的なダンスに心揺さ振られます。
今回の最年少は小学2年生!小さい子も多いですが、年上のお姉さん達に負けずパワフルに頑張っていました。

 キャストが発表された時点から、大手作品でも活躍してきた子供達が名を連ね話題性の高いミュージカル「マダガスカルJR.」。間違いなくゴールデンウィーク一番の注目と言って良い作品です。

稽古密着動画
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Q
Can’oly Companyとは?
A

Can’oly Companyは歌手、俳優として活躍中の間聖次朗さんが「多くの子役たちに質の高いステージを」をコンセプトに2022年に立ち上げたミュージカルカンパニー。

子役に向けたダンス、演技、歌唱レッスンの実施、コンサート、ミュージカル等の公演など舞台に関わる様々な活動を行っています。

間聖次朗

株式会社BLuno ENTERTAINMENT事業部統括部長
※俳優業はフリーランス

東京藝術大学卒業。4歳で初舞台を踏み、子役時代には劇団四季「ライオンキング」ヤングシンバ役を演じる。高校時代には座間全国舞踏コンクール創作ダンスの部にて第一位、声楽では日本クラシック音楽コンクール第一位、全日本学生音楽コンクール全国第一位等多数受賞。第88回高校選抜野球大会開会式にて国歌斉唱を務めた。

大学在学時にはTV番組「The カラオケバトル」への10回以上の出場(内準優勝2回)や、ブロードウェイミュージカル作品などの演出振付なども手掛ける。

卒業後はオンラインミュージックスクール「Music School-s(後に株式会社BLunoと経営統合)」を立上げる傍ら、自身が手掛けたミュージカル「最愛なる・・・」の成功を機にミュージカルカンパニー「Can’oly Company」をスタート。2021年には劇団四季ライオンキングへの凱旋も果たし、今後の活躍に注目が集まる。

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